投稿日:2021年6月22日 更新日:2023年9月28日

雛人形 ひな祭り 飾り方

最も庶民的な雛人形?「仕丁」について知ろう

雛人形のなかには「仕丁(しちょう)」と呼ばれる3人のお人形が存在しますが、仕丁がどのようなお人形であるのかをご存知の方は少ないかもしれません。実は雛人形のなかで最も庶民的な存在であり、よく見るとそれぞれの表情が微妙に異なります。

この記事では「仕丁」の雛人形に焦点を当て、役割や表情の意味、持ち物といった基礎知識をまとめました。最後にふらここオリジナルのかわいい仕丁を含む雛飾り3選もご紹介するので、ぜひ雛人形選びにお役立てください。

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仕丁ってどんな人?

仕丁とは、平安時代以降に貴族などのお世話をしていた人のことです。いわば「宮廷における雑用係」として、お内裏様のお供や庭の掃除などを担当していたと言われています。

とはいえ仕丁は正式な職業というわけではなく、君主が必要に応じて無報酬で住民を働かせる「徭役(ようえき)」の一種でした。具体的には50戸につき2人が選ばれるシステムで、3年交代制で仕えることが多かったようです。

つまり、仕丁は雛人形のなかで唯一の庶民であり、同じくお内裏様に仕える「三人官女」や「随身」と一緒に並べられているものの、身分が大きく異なる存在なのでした。

仕丁の表情に込められた意味とは

雛人形における仕丁は3人であるケースが一般的で、それぞれが「泣き」「笑い」「怒り」と異なる表情をしています。そこにはさまざまな事情のなかで宮中に仕えている庶民であるからこその表情豊かな姿が表現されており、その3人の姿は「三人上戸」とも言われています。

また、そのように豊かな表情の仕丁を雛人形に取り入れた背景には、「表情豊かな子に育ちますように」という願いも込められているようです。

仕丁の持ち物や並べ方をチェック

雛人形における仕丁は、向かって左から「怒っている人形→泣いている人形→笑っている人形」の順に並べるケースが一般的ですが、なかには怒りと笑いが反対になっている場合もあります。また、お人形が持つお道具は雛人形の種類によって異なるものの、「台笠(だいがさ)・沓台(くつだい)・立傘(たてがさ)」といった外出用具を持たせている傾向が見られます。

一方で関西では「ほうき・ちりとり・熊手」などの掃除用具を持たせているケースも多く、仕丁の持ち物に関しては地域によっても違いがある印象です。

ちなみに仕丁の雛人形は五段飾り以上の雛飾りでセットになっていることが多いですが(参考:毎年悩む…雛人形(段飾り)の飾り方(並べ方)と意味を詳しく解説!)、必ずしも5段目に位置するわけではありません。近年はコンパクトで省スペースな雛人形が好まれる傾向があり、4段目に随身・仕丁を飾るセット、さらには親王と同じ1段目に官女を置くことで随身・仕丁を3段目に配置しているセットも多く存在します。

このように仕丁を飾る位置は雛飾りによって異なりますが、上記のように一番身分の低い役職にあたることから「雛人形のなかでは一番下の位置に配置する」と覚えておくとよいでしょう。

仕丁の愛らしい表情に注目!ふらここオリジナルの雛人形3選

ふらここでは、仕丁のお人形を含んだオリジナルの雛飾りをバリエーション豊かに取り揃えております。また、後からプラスできる仕丁と随身のみのお人形セットもご用意しており、「2人目の女の子が生まれたけれど、2つ目の雛飾りを購入するほどのスペースや予算がない」といった場合は、こういったお人形を付け足す形もおすすめしております。

今回は、お好みやシーンに合わせて取り入れていただきやすいおすすめ商品を3点ピックアップいたしました。ぜひ仕丁の愛らしい表情に注目しながらチェックしてみてください。

・ことこと 琳派名物裂

商品名:ことこと 琳派名物裂(CT-01424401)
サイズ:横幅42.5×奥行40.5×高さ34.5cm
価 格:233,000(税込256,300円)

~商品の特徴~

はっきりした目元と聡明なお顔が特徴的なことこと。優しい笑顔のお人形が並んだ、十五人飾りの雛人形です。京都・西陣織で織り上げた、格調高い琳派名物裂のお衣装を着せました。はっきりとした色合いのお衣装が絶妙なバランスで組み合わさり、色彩豊かでありつつ上品な仕上がりになっています。

お屏風には、蘭・竹・菊・梅の四君子(しくんし)の刺繍入り。ナチュラルな色合いの飾り台に、お衣装の色味がよく映えます。可愛らしさと品の良さを兼ね備えた、年に一度の大切なお祝いにぴったりの雛人形です。

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/CT-01424401

・れいれい 京刺繍・桜色

商品名:れいれい 京刺繍・桜色(RE-01441801)
サイズ:横幅50cm×奥行42.5cm×高さ37.5cm
価 格:251,000円(税込276,100円)

~商品の特徴~

春らしい配色のお衣装と、お人形の凛としたお顔立ちが目を引く十五人飾です。お衣装に施した花柄刺繍(ししゅう)は宝石を散りばめたような美しさで、ダークブラウンの飾り台と組み合わせることで華やかすぎず上品な印象に仕上げました。

そしてお屏風にも細かな刺繍をあしらい、優しい色味の桜の花がお人形の可愛らしさをより一層引き立てています。また、最下段に位置する仕丁はどこか品を感じさせる雰囲気で、横の随身とのコントラストによって立体感のある雰囲気もお楽しみいただけます。

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/RE-01441801

・随身・仕丁 小花に唐松

商品名:随身・仕丁 小花に唐松(MI-01922900)
サイズ:高さ:6.5cm(中央)
価 格:49,500円(税込54,450円)

~商品の特徴~

こちらは、後からプラスできる随身と仕丁のお人形セットです。お揃いのお衣装は名物裂のひとつとして知られる「笹蔓緞子(ささづるどんす)」に用いられる唐松と小花をふらここオリジナルでデザインしたもので、幾何学模様の唐松と小花の組み合わせが何ともおしゃれな雰囲気を演出してくれます。

このセットを取り入れる場合には、後から付け足せる専用の飾り台と一緒にご購入いただくとよいでしょう。ぜひ十人飾にプラスして、さらに華やかな雛祭りをお楽しみください。

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/MI-01922900

仕丁のお人形についても知識を深め、雛人形をさらに楽しもう

雑用係として、雛飾りの一番下に位置する「仕丁」のお人形。歴史的な背景を把握したうえで表情や持ち物などに注目してみると、また違った角度で雛飾りをお楽しみいただけるかもしれません。

一般的に仕丁を含む十五人飾は大きなものが多いですが、ふらここでは省スペースなタイプを種類豊富にご用意しております。「段数の多い雛人形でにぎやかなひな祭りを演出したいけれど、大きすぎるものはちょっと…」という場合にも、取り入れていただきやすいでしょう。

ぜひ以下の商品ラインナップをチェックして、ご予算やお好みのテイストに合うタイプを見つけてみてください。

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋