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伝統行事のご紹介歳時記について

ひな祭り、端午の節句、お盆、お正月の他にも、
昔から大切にされてきた日本の風習は数多くあります。
季節にちなんだ風習や伝統文化の素晴らしさについて、
もっと知っていただき、そして日本をもっともっと
楽しんでください。

七夕

7月7日は七夕のお祭りです。江戸時代には五節句のひとつとして、ひな祭り(上巳の節句)や端午の節句と同じように、とても盛大に行なわれていました。

しかし、明治5年に新暦が採用されると、7月7日は梅雨の最中となり、夜空の星が見えにくい時期になってしまいました。
本来、七夕は旧暦(太陰太陽暦)の7月7日で、この時期は、季節的にも晴天が続き、また、旧暦の7日は上弦の月ですから、夜空に星を観察するには最も適した時期なのです。

さて、七夕といえば、今では「星祭り」としてすっかり定着しています。織姫(織女)と彦星(牽牛)が、1年に1度だけ会うことができる日が七夕です。織姫は、こと座のベガ。彦星は、わし座のアルタイル。共に一等星ですが、天の川をはさんだこの2つの星が、視覚的に最も接近するのが七夕の夜です。
ちなみに、江戸時代の人々は、七夕の夜に、笹竹に五色(青、赤、白、黒、黄)の糸をかけて、2つの星に願いごとをしました。この五色の糸は、「願いの糸」と呼ばれ、この糸を笹竹にかけて2つの星に祈ると、その願いごとが3年以内には必ずかなうと言われていたそうです。

秋のお彼岸

9月23日は「秋分の日」ですが、その前後3日ずつ、合計7日間が「秋のお彼岸」です。お彼岸には祖先を敬い、亡くなった人々を偲んでお墓参りをする風習が、日本には古くからありました。

秋分の日には、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。このことから、“真西に沈む太陽が、西にあるとされる極楽浄土を指し示す”という仏教の教え(「西方浄土」の思想)に基づき、この風習ができあがったといわれています。

また、秋分の日には昼と夜の長さが同じになるということを、ご存知の方も多いと思います。このことが、仏教が説く「中道」の精神にも叶っていると考えられ、上述の「西方浄土」の思想ともあいまって、お彼岸の墓参りが広く普及したという訳です。
ちなみに、秋のお彼岸には「おはぎ」をお供えすることが多いのですが、このお菓子の名前は、秋に咲く萩の花にちなんで付けられたのだそうです。そのため、春のお彼岸には同じお菓子を、春に咲く牡丹にちなんで「牡丹餅(ぼたもち)」と呼びます。
お彼岸には、皆様も是非、ご家族でお墓参りに行かれますことをお薦めいたします。

お月見

秋といえば、「十五夜」のお月見。この日に見える月は一年中で最も明るく美しいといわれ、「仲秋の名月」として、古くから親しまれています。
「十五夜」とは、旧暦8月15日の夜のことですが、旧暦では7月から9月が秋なので、秋の真ん中ということで「仲秋」とも呼ばれています。
「十五夜」にはススキを飾りますが、ススキには魔除けの力があると信じられており、お月見に供えたススキを家の軒下に吊るしておくと、一年間は病気をしないと言われています。
皆様も、是非、「十五夜」にはお団子やススキを飾って、「仲秋の名月」をお楽しみください。

七五三

七五三とは、三歳、五歳、七歳の子供の成長を祝って11月15日に氏神様にお参りをする行事です。七五三には、三歳男女児の「髪置き(かみおき)」、五歳男児の「袴着(はかまぎ)」、七歳女児の「紐落し(ひもおとし)」のお祝いがありますが、明治時代になってから現代の形式に定着したようです。

「髪置き」とは今まで剃っていた、または短かった髪を伸ばして結髪にすることで、「袴着」とは初めて袴をつけること。「紐落し」は、それまでの紐付きの着物に代わって、本仕立ての着物を帯で締めて着るようにすることです。

子供の成長の節目ごとに氏神様に加護を祈り、周りからも一人の人間として人格を認められるようになる特別な日が、七五三という訳です。人生の大切な、そして晴れがましい節目の日をご家族皆さまでお祝いする。この美しい日本の伝統行事をいつまでも大切にしたいものです。
そして、もうとっくに大人になってしまった私たちも、11月15日を前に、また新しい一歩を子供の頃のようにドキドキする未来に向けて、踏み出せたらいいですね。